分譲マンションの選び方ガイド

返済に困らないための住宅ローン設計方法

住宅ローンは通常20年、30年と超長期にわたって付き合っていく金融商品です。こうした不確定な将来に対する金融商品の場合リスクを抑えるための安心な設計にしておくことが重要だと私は考えています。ここでは、安心な住宅ローンを組むためのリスク管理の方法やリスクを抑えた住宅ローンの組み方について説明していきます。

失敗しない分譲マンションの選び方

住宅ローンのリスクを減らすための対策について

リスクとは【不確実性】と置き換えることができます。つまり、リスクがあるというのは「将来どうなるのかわからない部分がのこっている」ということです。
マイホームという資産を購入する場合には数多くのリスクを抱えることになります。そうした中、最大のリスクは「住宅ローン」関連にあるといっても過言ではありません。

住宅ローンはもしも返済ができなくなった場合、住まいであるマイホームを奪われてしまうという恐怖もあって、もしも行き詰ったときに正常な判断がしにくくなるという分野でもあります。
そのため、住宅ローンの借入については少しでもリスクを減らしたり管理できるようにしておくことが大切です。

住宅ローンの主だったリスクは以下のようなものがあります。基本的には「家計を圧迫する」「支払えなくなる」ということです。

  1. 収入・所得の減少により返済が困難になるリスク
  2. 住宅ローンの金利上昇による返済金額のアップ
  3. 1、2のリスクは時間が長くなるほど大きくなる(不確実性が大きくなる)

以上の大きく3つがリスクといえます。

 

収入・所得の減少により返済が困難になるリスク

これには大きく「働けるけど仕事が無い、仕事量の減少などによる収入減少」というリスクと「仕事はあるけど体調不良や病気などが原因で収入が減少」という二つの可能性が考えられます。
住宅ローンを設計する際には、設計時点において無理すれば大丈夫ではなくて、余裕を持って大丈夫という形にしておく必要があります。「安心な住宅ローンの借入額とは」でも書いているとおり、返済比率を30%ではなく、25%、20%にしてみるなどの対策も一つだと思います。
また、病気や怪我に関しては収入の激減も考えられますので、そうした場合に備えての医療保険や所得保障保険などの保険サービスを利用するのもリスク低減のための手段といえます。

住宅ローンの金利上昇による返済金額のアップ

住宅ローンの金利は大きく「変動金利」と「固定金利」を選択することができますが、変動金利の場合契約時点の金利は安いのですが、将来の市場金利変動に伴い金利自体が大きくアップするリスクがあります。2010年6月現在は変動金利だと1%ちょっとの金利で借りることができる銀行もあるようです。一方固定金利の場合は2%超と金利で言えば2倍近いです。
しかし、この金利差は将来の金利上昇リスクに対する保険とも考えることができます。住宅ローン返済期間中の30年近い間金利がこの水準でずっと推移するということは考えにくいです。そうなると、将来的な金利負担の上昇は必ずありまえます。
そうしたリスクに備えるためにも保険をかねて固定金利を活用するというのも一つのリスクヘッジといえます。

リスクは時間が長くなるほど大きくなる

これは、リスクというものの考え方です。リスクというのは不確実であるということです。例えば明日のことは大体想像は付くでしょう、1週間先もそうですね、ある程度は分かります。1ヵ月後ならうーん、まあ大体わかるでしょ。1年後はちょっとよく分からないなぁとなりませんか?

このように、将来のことは時間が長くなるほどわからなくなるのです。住宅ローンは30年近い間の超長期のローンを組むことができます。しかし、30年後のことなんて分かりません。今から30年前といえば、1980年まだドイツは東西に分かれています。消費税だってありません。土地の値段は永久に上がり続けるものだと信じられてました。インターネットなんて当然ありません。こんな時代です。
その30年前の人が、今日この日がこんな風な現代になることを想像している人は少ないでしょう。

ちょっと外れましたが、住宅ローンは30年近いローンと書きましたが、もっと短くしてもいいのです。できるのであれば20年でも、15年でも、10年でもいいわけです。期間を短くするほどそれだけリスクの振れ幅が小さくなります。
また、期間が短くなるほど利息負担も小さくて済みます。

ただし、住宅ローンは後で短くすることはできますが、延長することはできません。将来の状況(リスク)も考えるのであれば、長く借りて早く返済するというのが賢い方法だと思います。